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106回看護師国家試験 午前問題106~120

次の文を読み午前問題106~108の問いに答えよ。
 
 在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。出生時体重3,300g、身長48.5cm。生後1日の体重は3,200g。バイタルサインは腋窩温37.2℃、呼吸数70/分、心拍数130/分。出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。
 
 
午前問題106 児の状態で正常から逸脱しているのはどれか。
1.体 温
2.呼吸数
3.心拍数
4.排尿回数
5.排便回数
 
 
午前問題107 生後2日、医師の診察で問題がないことが確認され、母児同室を開始した。身体測定を行うため、児を新生児室に移送した。児は四肢を屈曲させた姿勢で、体重計に乗せたとき両手を広げ、そのまま上肢を伸ばし抱きかかえるような動きをした。腹部には境界の不明瞭な紅斑が散在し、腋窩と鼠径部にはクリーム状のものが付着していた。
 児の看護で適切なのはどれか。
1.手足を伸ばして寝かせる。
2.異常な反射があったと医師に報告する。
3.腹部の紅斑が散在している部位を消毒する。
4.腋窩と鼠径部のクリーム状の付着物は洗い落とさない。
 
 
午前問題108 生後3日、児の体重は3,000gになった。バイタルサインに異常はみられない。手掌と足底に黄疸がみられ、傾眠傾向にあった。血清ビリルビン値18.5mg/dl。母児同室を続けるため、コットに設置可能な光線療法器を用いて治療を行うことになった。
 児の光線療法に関する母親への説明で適切なのはどれか。
1.「体温は低下します」
2.「便の回数は減ります」
3.「おむつは外して行います」
4.「直接授乳は続けましょう」
 

 

  
次の文を読み午前問題109~111の問いに答えよ。
 
 Aさん(38歳、男性、会社員)。両親と3人暮らし。25歳のころに双極性障害と診断された。3か月前から気分が落ち込み夜も眠れず、食欲もなくなり仕事を休むことが多くなってきた。無力感を感じるようになり、休職して精神科病棟に任意入院した。入院後は1日中ベッドで横になって過ごし、他の患者との交流もみられない。看護師が話しかけても簡単な返事をするだけで無表情である。食事は病室で摂取しており、摂取量は少ない。 
 
 
午前問題109 入院後1週が経過した。Aさんはベッドに横になりじっと窓を見つめていることが多くなった。看護師が何をしているのか話しかけると、Aさんは「死にたいと思っている」と答えた。
 このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
1.話題を変える。
2.気分転換を促す。
3.すぐに良くなると励ます。
4.自殺しないことをAさんに約束してもらう。
 
 
午前問題110 入院後4週が経過した。昨日は、午前中ホールに1回出てきたが、すぐに病室に戻ってしまった。今朝、看護師がホールに出てきたAさんに「おはようございます」と声を掛けたところ、「おはよう」と答えただけで病室に戻ってしまった。夕方には他の患者とも会話をしたり、一緒にテレビを見たりするようになった。看護師が気分について尋ねると「まだ死にたい気持ちが残っている」と話した。
 このときのAさんの状態のアセスメントとして正しいのはどれか。2つ選べ
1.過活動である。
2.気分には日内変動がある。
3.自分に注目してほしいと思っている。
4.行動の回復と感情の回復に差が生じている。
5.看護師に声を掛けられたことに怒りを感じている。 
 
 
午前問題111 入院後3か月が経過した。Aさんは気分が安定し、食事も全量摂取できるようになり、日中は作業療法に週4日参加している。「もう死にたい気持ちはなくなりました。でも、まだ短時間しか新聞を読めないので、仕事に戻るのが不安です」と話している。
 Aさんの退院に向けた支援として適切なのはどれか。2つ選べ
1.転職を勧める。
2.上司との面会を設定する。
3.再発のサインを一緒に見つける。
4.自信が持てるようになるまで待つ。
5.作業療法に集中力を高めるプログラムを入れる。
 

 

 
次の文を読み午前問題112~114の問いに答えよ。
 
 Aさん(23歳、女性)は、大学を卒業後、インテリア会社に事務職として就職した。入社後に「ユニフォームが似合うようになりたい」とダイエットを始め、次第にやせが目立つようになった。母親がAさんに食事を作っても「太るのが怖い」と言って食べず、体重は2週間で5kg減少した。心配した母親とともに精神科外来を受診し、摂食障害と診断され、開放病棟へ入院した。入院時、身長160cm、体重37kgであった。 
 
 
午前問題112 入院から1週間の期間に観察すべき項目はどれか。2つ選べ
1.浮腫の程度
2.過食の有無
3.活動量の低下
4.嚥下障害の有無
5.振戦せん妄の有無
 
 
午前問題113 入院後2週が経過した。Aさんは食事の時間に食べ物を細かく刻み、1時間以上時間をかけるが、摂取量はスプーン1杯ほどである。ベッド上でストレッチを2時間行っている。Aさんと話し合ったところ「私はこの病棟で一番太っているから少しでも痩せなきゃ」と話した。
 看護師の関わりとして適切なのはどれか。
1.体重測定の回数を増やす。
2.鏡でAさんの全身を映して見せる。
3.痩せたいという気持ちについて話し合う。
4.Aさんは看護師よりも痩せていると伝える。
 
 
午前問題114 入院後3か月が経過した。Aさんは体重が43kgまで増加し、主治医と相談して、退院の準備をすることになった。退院の話題が出ると、Aさんと母親は口論することが多くなった。父親は出張が多く、面会に来たのは一度のみであった。
 退院に向けてAさんと家族に勧めることとして最も適切なのはどれか。
1.栄養指導
2.作業療法
3.家族療法
4.単身生活の開始
 

 

 
次の文を読み午前問題115~117の問いに答えよ。
 
 Aさん(70歳、男性)。妻(74歳)と2人で暮らしている。Aさんがトイレに入ったまま戻ってこないので妻が見に行くと、トイレで倒れていた。妻が発見直後に救急車を要請した。救急隊からの情報ではジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20で右片麻痺があり、バイタルサインは、体温36.5℃、呼吸数16/分、脈拍108/分、血圧200/120mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%であった。 
 
 
午前問題115 救命救急センター到着時に観察する項目で最も優先するのはどれか。
1.体 温
2.心電図波形
3.意識レベル
4.尿失禁の有無
 
 
午前問題116 頭部CTの結果、高血圧性脳出血と診断され、集中治療室に入室した。入室時にはジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-30。体温37.0℃、呼吸数16/分、脈拍82/分、血圧154/110mmHg。入室から8時間後、体温37.2℃、呼吸数18/分、脈拍50/分、血圧208/106mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%になり、呼びかけと痛み刺激に開眼しなくなった。
 このときのAさんの状態はどれか。
1.低酸素脳症
2.脳圧亢進症状
3.髄膜刺激症状
4.正常圧水頭症
 
 
午前問題117 入院から4週が経過し、病状が安定して意識が回復した。Aさんは後遺症として運動性失語が残り、言葉がうまく発せられないため涙ぐむことがあった。妻は面会後「夫が話す言葉が分からず、どう接すればよいか分からない」と言って戸惑っていた。
 妻に対する対応で適切なのはどれか。
1.「いつもどおり話をしてあげてください」
2.「看護師も同席してAさんとお話ししましょう」
3.「リハビリテーションで話せるようになりますよ」
4.「分かりやすい言葉で話しかけてあげてください」
 

 

 
次の文を読み午前問題118~119の問いに答えよ。
 
 Aさん(89歳、女性)は、認知症と診断されており、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡbである。定年退職後の長男(66歳、未婚)との2人暮らし。Aさんは「役所の世話になるのは嫌だ」と言い、要介護認定を受けることを承諾していなかった。しかし、Aさんが室内で転倒したことをきっかけに、要支援1の判定を受け介護予防訪問看護が導入された。 
 
 
午前問題118 Aさんは「家事は私の仕事だ。息子にも他人にも任せられない」と言い、夕方になると、歩いて5分程度のスーパーマーケットへ買い物に行くことが長年の習慣となっている。最近、夜になっても帰宅せず、長男が探しに行くとスーパーマーケットから離れた公園のベンチに座っていることが数回あった。長男は訪問看護師に「母は私が後をついてきたと思い込んで怒るんです。このままでは心配です」と相談した。
 看護師が長男へ助言する内容で最も適切なのはどれか。
1.「先に公園で待っていてはどうですか」
2.「ホームヘルパーの利用をお勧めします」
3.「Aさんに買い物をやめるよう話しませんか」
4.「荷物を持つという理由で同行してはどうですか」
 
 
午前問題119 ある冬の訪問時、長男が「母がここ数日寒さを訴え、居間にある電気こたつの温度を最も高くして、肩までもぐり込んでそのまま朝まで眠ってしまう」と話した。
 長男の話を受けて、看護師が最初に観察する項目で最も優先度が高いのはどれか。
1.筋力低下の有無
2.感染徴候の有無
3.認知機能のレベル
4.全身の皮膚の状態 
 

 

 
次の文を読み、午前問題120の問いに答えよ。
 
 Aさん(70歳、男性)は、妻と長男との3人暮らしである。左被殻出血で入院し、歩行訓練および言語訓練のリハビリテーションを行い自宅に退院した。退院時の検査所見は、HDLコレステロール40mg/dl、LDLコレステロール140mg/dl、トリグリセリド150mg/dlであった。退院後、週1回の訪問看護を利用することになった。初回の訪問時、血圧は降圧薬の内服で130/80mmHgであった。右片麻痺、麻痺側の感覚障害、運動性失語があり、一本杖や手すりを利用して自宅内を移動していた。Aさん宅は、酒屋を自営しており、1階は店舗、トイレおよび浴室、2階に居室がある。各階の移動は手すりのあるらせん状階段のみで、階段昇降機の取り付けは構造上できない。Aさんは「店に出て親しい客に会うのが楽しみだ」と話した。
 
 
午前問題120 訪問看護計画に取り入れている内容で最も優先度が高いのはどれか。
1.言語訓練
2.食事指導
3.内服薬の管理
4.排便コントロール
5.階段を昇降する練習 

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