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106回看護師国家試験 午後問題91~105

次の文を読み午後問題91~93の問いに答えよ。
 
 Aさん(82歳、男性)は、介護付の有料老人ホームに入居している。10年前まで会社を経営していた。プロ野球や世界経済に興味があり、友人とインターネットを用いて交流するのを楽しみにしている。Parkinson〈パーキンソン〉病で、現在Hoehn‐Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅡ。両側の上下肢の静止振戦や動作緩慢がみられる。食事は自分の居室に運んでもらって食べている。身の回りのことは1人でできる。1人での外出も可能だが、転倒に対する恐怖が強いため1日中室内で過ごしている。
 
 
午後問題91 Aさんの障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準のランクはどれか。
1.ランクA
2.ランクB
3.ランクC
4.ランクJ
 
 
午後問題92 Aさんは「最近、尿が出始めるまでに時間がかかるので、排尿時は自分で下腹部を押しています。尿がすっきり出ません」と言う。泌尿器科を受診したところ、Parkinson〈パーキンソン〉病による自律神経障害と診断された。
 Aさんの現在の状況から最も考えられるのはどれか。
1.残尿がある。
2.膀胱が萎縮している。
3.蓄尿障害が生じている。
4.骨盤底筋群の筋力が低下している。
 
 
午後問題93 有料老人ホームの看護師はAさんに病気の進行を予防するために運動を勧めたが、Aさんは「この病気は進行性だからいつかは動けなくなる。今、転ぶと骨折して動けなくなるかもしれない。だから運動するのは嫌だ」と言う。AさんはParkinson〈パーキンソン〉病に関する情報を入手しており、病状の理解ができている。薬物は自己管理できている。かかりつけ医に自分から病状の説明を求めることもある。
 Aさんの転倒の不安を軽減するために看護師とAさんが一緒に実施することで、最も適切なのはどれか。
1.車椅子で外出する。
2.転倒予防教室への参加を検討する。
3.廃用症候群に関する情報を収集する。
4.運動の効果と転倒のリスクとを比較する。
 

 

 
次の文を読み午後問題94~96の問いに答えよ。
 
 Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折と診断され、安静目的で入院した。
既往歴:5年前に大腿骨骨折。
現病歴:2年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。
生活歴:要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。 
 
 
午後問題94 入院当日、Aさんは看護師に「ここはどこですか」と同じ質問を繰り返している。
 このときの看護で最も適切なのはどれか。
1.体幹を抑制する。
2.家族に夜間の付き添いを依頼する。
3.ナースステーションにベッドを移動する。
4.骨折で入院していることを繰り返し伝える。
 
 
午後問題95 入院後8日、理学療法室での訓練が始まった。Aさんはこわばった表情で訓練を受けていた。Aさんは、以前は通所リハビリテーションを利用していたが、人が多い場で落ち着かなくなることがあり、入院前には小規模多機能型居宅介護事業所を利用していたことが家族からの情報で分かった翌日、理学療法士が「理学療法室に行きましょう」と病室に迎えに来たところ、Aさんは「行きたくない」と嫌がった。
 このときのAさんに対する看護で最も適切なのはどれか。
1.看護師が理学療法室まで付き添う。
2.病棟でのリハビリテーションを提案する。
3.Aさんに再転倒を予防する必要性を説明する。
4.小規模多機能型居宅介護事業所の利用を勧める。
 
 
午後問題96 入院後3週、Aさんはコルセットを装着し、杖を使ってゆっくり歩けるようになった。翌週には自宅へ退院することが決まった。
 Aさんの退院に向けて、Aさんと長男夫婦への指導内容で適切なのはどれか。
1.自宅ではコルセットを外してよい。
2.家の中での日常生活行動を積極的に行う。
3.5,000歩程度のウォーキングを毎日行う。
4.ビタミンB1の多い食品を積極的に摂取する。
 

 

 
次の文を読み午後問題97~99の問いに答えよ。
 
 Aちゃん(11歳、女児)。眼瞼浮腫がみられたため、眼科を受診し治療を受けたが改善しなかった。その後、Aちゃんと母親が下腿の浮腫に気付き眼科の医師に相談したところ、特発性ネフローゼ症候群が疑われたため、小児科のある病院を紹介され受診した。 
 
 
午後問題97 看護師が収集すべきAちゃんの情報で優先度が高いはどれか。
1.食 欲
2.家族歴
3.手術歴
4.海外渡航歴
5.初経の発来の有無
 
 
午後問題98 Aちゃんは排尿回数が減少し、全身に浮腫が認められた。血圧は110/68mmHgであった。尿検査を行い、尿蛋白4+であった。血液検査は、アルブミン1.3g/dl、総コレステロール350mg/dl、クレアチニン0.4mg/dl、Na130mEq/L、K4.5mEq/Lであった。特発性ネフローゼ症候群と診断され入院した。
 Aちゃんが摂取を制限する必要があるのはどれか。
1.ナトリウム
2.カリウム
3.蛋白質
4.水 分
5.リ ン
 
 
午後問題99 Aちゃんは、ステロイド治療の開始後10日で尿蛋白が陰性となり、浮腫等の症状が改善した。入院後3週、ステロイド薬の副作用(有害事象)として、満月様顔貌が出現している。他に明らかな副作用(有害事象)は出現していない。ステロイド薬の内服を続けながら退院することになった。
 Aちゃんの退院後の生活について指導する内容で適切なのはどれか。
1.日光を避ける。
2.体重の測定は毎日行う。
3.1か月は学校を欠席する。
4.入浴ではなくシャワー浴とする。
5.満月様顔貌が気になる場合もステロイド薬の内服を続ける。
 

 

 
次の文を読み午後問題100~102の問いに答えよ。
 
 Aさん(24歳、初産婦、会社員)は、現在、両親と妹の4人で暮らしている。パートナー(24歳、会社員)と結婚する予定である。Aさんは、妊娠8週の妊婦健康診査で「朝起きると気持ちが悪くあまり食べられません。台所から食べ物の匂いがするだけで吐き気がします」と話している。 
 
 
午後問題100 Aさんへの食事指導で最も適切なのはどれか。
1.水分は温かい飲料にする。
2.栄養のバランスのよい食物を摂取する。
3.1回量を少なくして食べる回数を増やす。
4.カロリーの高い食物を積極的に摂取する。
 
 
午後問題101 このときの妊婦健康診査で「妊娠することは考えていなかったので、これから自分の身体にどういうことが起こるのか分かりません」とAさんから相談があった。看護師は、次の妊婦健康診査までに生じやすい変化について説明することにした。
 Aさんに生じやすいのはどれか。
1.痔
2.便 秘
3.腰 痛
4.静脈瘤
 
 
午後問題102 Aさんは、妊娠23週に結婚し、パートナーの家に転居した。翌週の妊婦健康診査で、Aさんは「最近は、結婚や引っ越しで忙しかったです。これから新しい環境に慣れていきたいと思っています」と話した。妊娠経過は順調である。
 このときに看護師がAさんに対して説明する内容で優先度が高いのはどれか。
1.保育所の選択
2.乳房の手入れ
3.側臥位での睡眠
4.妊婦健康診査の受診頻度
 

 

  
次の文を読み午後問題103~105の問いに答えよ。
 
 Aさん(26歳、経産婦)は、夫(30歳)と長女(2歳)の3人で暮らしている。妊娠37週2日、これまでの妊娠経過に異常はない。9時に陣痛が開始し、10時に夫に付き添われ入院した。入院時、陣痛間欠9分、陣痛発作30秒であった。内診所見は子宮口2cm開大で、少量の羊水の流出を認めた。羊水混濁はなかった。21時30分に子宮口全開大、22時30分に3,200gの男児を正常分娩で出産した。会陰裂傷は第2度。23時に胎盤娩出し、子宮底の位置は臍髙で硬く触れた。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点。分娩2時間後、子宮底の位置は臍下1横指で硬く触れた。分娩時出血量は360ml。 
 
 
午後問題103 Aさんの分娩時のアセスメントで適切なのはどれか。
1.正期産である。
2.適時破水である。
3.遷延分娩である。
4.分娩時出血量は異常である。
 
 
午後問題104 Aさんは、翌日1時に帰室した。5時、尿意はなかったが、トイレでの排泄を促し排尿がみられた。排尿後の観察で、子宮底の位置は臍下1横指で硬く触れ、悪露は赤色で量は中等量であった。会陰縫合部に異常はないが、痛みがあるため円座を使用している。
 Aさんへの対応で適切なのはどれか。
1.「下腹部を温めましょう」
2.「水分摂取を控えましょう」
3.「腹筋を強化する体操をしましょう」
4.「尿意がなくても3~4時間ごとにトイレに行きましょう」
 
 
午後問題105 産褥3日。Aさんは母乳育児を希望している。Aさんの乳房の形は左右ともⅡa型で、乳房は緊満している。両乳頭に損傷はない。左腋窩に副乳があり「腫れて痛い」と話す。本日の児の体重は3,100gであった。
 Aさんに対する看護師の援助で適切なのはどれか。
1.左腋窩に冷罨法を行う。
2.乳房マッサージを行う。
3.3時間ごとの授乳を勧める。
4.左乳房での授乳を中止する。

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