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107回看護師国家試験 午前問題91~105

次の文を読み午前問題91~93の問いに答えよ。
 
 Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症の既往がある。  
 
 
午前問題91 Aさんの運動負荷心電図検査(トレッドミル運動負荷試験)の結果を別に示す。
 
 このときの心電図の所見で適切なのはどれか。
1.発作時はST低下がある。
2.発作時はP波が低下している。
3.安静時は異常Q波がある。
4.安静時は冠性T波がある。
5.安静時と発作時ともにQRS幅が拡大している。
 
 
午前問題92 検査の結果、Aさんは労作性狭心症と診断され、硝酸薬、カルシウム拮抗薬および抗血小板薬を内服することになった。その後、外来通院を続け、以前と同様に負荷のかかる作業もできるようになった。内服治療から1か月後、胸部の圧迫感が強くなり、時々左上腕から前腕にかけての放散痛も出現するようになったため、経皮的冠動脈形成術〈PCI〉を受けた。カテーテルは右大腿動脈から挿入されていた。手術中から抗凝固療法を実施している。
 手術直後の観察項目として適切なのはどれか。 2つ選べ。
1.乏尿の有無
2.皮膚の黄染
3.出血の有無
4.両足背動脈の触知
5.穿刺部位の感染徴候
   
 
午前問題93 Aさんの経過は順調で、手術後4日に退院することになった。Aさんは「家に戻ってもまた症状が出るのではないかと心配です」と話した。
 Aさんに対する退院指導の内容として適切なのはどれか。 2つ選べ。
1.「水分摂取を控えましょう」
2.「肉類を多く食べましょう」
3.「睡眠時間を確保しましょう」
4.「自動車の運転はやめましょう」
5.「次回の外来受診までは重い荷物を運ぶ作業は控えましょう」
 
 

 
次の文を読み午前問題94~96の問いに答えよ。
 
 Aさん(55歳、男性)。胃癌のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は300mlで、輸血は行われなかった。既往歴に特記すべきことはない。入院時身長166㎝、体重78㎏。手術後1日、硬膜外持続鎮痛法が行われているが、Aさんは創部痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。このときのバイタルサインは、体温37.1℃、呼吸数22/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(鼻カニューラ2L/分酸素投与下)。Hb13.8g/dl。尿量60 ml/時。意識清明、心音および呼吸音に異常なし。頸静脈怒張なし。下肢に浮腫なし。創部に熱感や発赤を認めない。腹腔ドレーンからは少量の淡血性排液があるが、膿性ではなく、異臭もない。
 
  
午前問題94 このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。
1.貧血のため脈拍が速い。
2.疼痛のため血圧が高い。
3.創部感染のため体温が高い。
4.心不全のため呼吸数が多い。
   
 
午前問題95 手術後5日からAさんの食事が開始された。Aさんは食事の後に、めまい、顔面紅潮、動悸、下腹部痛を伴う下痢が出現し、冷汗がみられるようになった。
 現状で最も考えられるのはどれか。
1.術後せん妄
2.乳糖不耐症
3.偽膜性大腸炎
4.ダンピング症候群
 
 
午前問題96 手術後14日、Aさんは食後に出現していた症状が落ち着き、退院が決まった。
 Aさんへの退院指導の内容で適切なのはどれか。
1.1回の食事量を増やす。
2.海草を積極的に摂取する。
3.食後の冷汗が出現した際には身体を温める。
4.空腹時はコーヒーなどの刺激物の摂取を避ける。
 

 
 
次の文を読み午前問題97~99の問いに答えよ。
 
 Aさん(75歳、女性)。1人暮らし。脳梗塞の後遺症で左不全麻痺があり、要介護1の認定を受けている。最近、夜間に中途覚醒することが多い。昨夜、トイレに行く際に転倒し、右手をついた。転倒後から右上肢の痛みがあり、翌朝になっても痛みが強かったため受診した。エックス線写真の結果から、右の上腕骨近位部骨折と診断され、入院した。
 
 
午前問題97 Aさんの骨折に対して保存療法が行われることとなった。骨折の固定法を図に示す。

 Aさんの骨折部の固定として適切なのはどれか。 
 
 
午前問題98 入院後2日。Aさんは日中、ベッドで横になってテレビを観ていることが多い。Aさんが尿意を訴えたため、看護師が付き添ってトイレに行くことになった。
 移動の方法として適切なのはどれか。
1.右腕を使って起き上がる。
2.しばらく座位をとってから立ち上がる。
3.骨折部の痛みがあるときも歩いてトイレに行く。
4.ベッドの高さは腰掛けたときにつま先が床に着くように調整しておく。
   
 
午前問題99 Aさんは入院後7日で退院し、介護老人保健施設に入所した。現在はリハビリテーションを行っている。
 退所後の再転倒を予防するためのAさんへの指導で適切なのはどれか。
1.家の中で過ごす。
2.歩幅を小さくして歩く。
3.足関節の底背屈運動をする。
4.就寝前に睡眠薬を内服する。
 
 

 
次の文を読み午前問題100~102の問いに答えよ。
 
 Aちゃん(3歳、女児)は、父親(会社員)と母親(会社員)との3人暮らし。Aちゃんは、生後11か月のときに、卵による食物アレルギーと診断され、医師の指示で卵の除去食療法をしていた。保育所では卵を除去した給食が提供されている。Aちゃんは保育所の給食の時間に、隣の席の園児の卵が入ったおかずを摂取し、蕁麻疹と咳が出現した。保育士に連れられて救急外来を受診した。Aちゃんは保育士に抱っこされ、「かゆい」と訴えており、咳込みがみられた。
 
  
午前問題100 受診時に観察する項目で優先度が高いのはどれか。
1.体 温
2.心拍数
3.腸蠕動音
4.蕁麻疹の範囲
   
 
午前問題101 Aちゃんは、食物アレルギーによるアナフィラキシーと診断された。アドレナリンの筋肉内注射の後、点滴静脈内注射による補液と酸素吸入が開始された。バイタルサインは問題なく、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉99%であったが、経過観察のため入院となった。Aちゃんは「お母さんに会いたい。おうちに帰りたい」と泣き始めた。母親は、保育所から連絡を受けて病院に到着し、医師から現在の病状について説明を受けた。母親は「Aは大丈夫ですか」と看護師に不安を訴えていた。
 母親への看護師の対応として最も適切なのはどれか。
1.入院中の生活の留意点を説明する。
2.父親が到着するまで待合室で待機してもらう。
3.来院時から現在までのAちゃんの様子を伝える。
4.Aちゃんが食物アレルギーと診断されたときの母親の思いを聴く。 
 
 
午前問題102 翌朝、Aちゃんは症状が落ち着いたため退院することとなった。母親は「卵を除去した給食を出してもらっていたのですが、また今回の様なことが起こるのではないかと心配です」と不安な様子である。
 このときの母親への指導として最も適切なのはどれか。
1.「保育所はしばらくお休みしましょう」
2.「給食内容を保育所の栄養士に相談しましょう」
3.「今後の給食時の対応を保育士と相談しましょう」
4.「保育所の園児に保育士からアレルギーについて説明してもらいましょう」
 

 

 
次の文を読み午前問題103~105の問いに答えよ。
 
 在胎38週4日、骨盤位のため予定帝王切開術で出生した男児。看護師はインファントラジアントウォーマー下で児の全身を観察した。羊水混濁はなかった。
 
身体所見:身長49.0㎝、体重2,900g、頭囲33.0㎝、胸囲32.0㎝。直腸温37.8℃、呼吸数55/分、心拍数150/分。大泉門は平坦、骨重積なし、産瘤なし、頭血腫なし。胎脂は腋窩にあり。筋緊張は強く、四肢は屈曲位。皮膚は厚い。うぶ毛は背中の1/2にあり。耳介は硬い。精巣は両側ともに完全に下降。外表奇形はなし。
検査所見:Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点。臍帯動脈血pH7.30.
 
 
午前問題103 この児のアセスメントで適切なのはどれか。
1.新生児仮死
2.成熟児
3.高体温
4.水頭症
   
 
午前問題104 出生後2時間。児のバイタルサインを確認したところ、直腸温37.5℃、呼吸数75/分、心拍数160/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉87%であった。心雑音はなし。鼻翼呼吸および呻吟がみられた。四肢末端にチアノーゼあり。
 この児の状態で考えられるのはどれか。
1.胎便吸引症候群〈MAS〉
2.呼吸窮迫症候群〈RDS〉
3.心室中隔欠損症〈VSD〉
4.新生児一過性多呼吸〈TTN〉
 
 
午前問題105 日齢7。児の体重は2,930g(前日より30g増加)。バイタルサインは、腋窩温37.0℃、呼吸数50/分、心拍数140/分。大泉門は平坦。排尿7回/日、排便10回/日の普通便である。経皮的黄疸計による測定値12.5mg/dl。児の母親は母乳育児を希望している。母乳分泌量は良好で乳房トラブルはない。直接授乳を1日12回しており、搾乳や人工乳は哺乳していない。母親は看護師に「体重は生まれたときから30gしか増えていませんが、大丈夫でしょうか」と話した。
 母親への対応で最も適切なのはどれか。
1.「乳房を温めましょう」
2.「哺乳量を測りましょう」
3.「搾乳も追加であげましょう」
4.「このまま直接授乳を続けて良いですよ」 

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