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98回看護師国家試験 午後問題106~120

次の文を読み、午後問題106~108の問いに答えよ。
 
 在胎40週、3,100gで出生した新生児。胎児超音波検査で先天性心疾患を疑われていたが、検査の結果、ファロー四徴症と診断された。全身状態が良好であったため、外来通院で経過を観察することとなり1か月で退院した。
 
 
午後問題106 生後5か月になり、ファロー四徴症に伴う症状を呈するようになってきた。
 乳児に認められない症状はどれか。
1.浮 腫
2.頻 脈
3.多呼吸
4.哺乳不良
 
 
午後問題107 2歳になり児は根治手術を受けることとなった。
 手術前に注意すべき症状はどれか。
1.乏 尿
2.起坐呼吸
3.頻拍発作
4.無酸素発作
 
 
午後問題108 根治手術が成功し、その後も外来受診が継続された。ある日母親から「乳歯が虫歯になり抜くことになりました。何か注意することがあれば事前に知りたいのですが」と小児科外来に電話があった。
 説明で適切なのはどれか。
1.入院による抜歯となる。
2.出血が止まりにくい。
3.抜歯前に抗菌薬を内服する。
4.特別な注意点はない。
 

 

 
次の文を読み、午後問題109~111の問いに答えよ。
 
 30歳の初産婦。昨日20時に正常分娩した。今朝の観察では、体温37.1℃、脈拍72/分、血圧118/76mmHg。乳房緊満感(-)、乳管開口左右4、5本。子宮底臍髙、子宮は硬く触れ、血性悪露中等量、後陣痛がみられる。会陰裂傷の縫合部痛があるが発赤はない。「昨夜は興奮してなかなか眠れなかった」と言う。
 
 
午後問題109 健康状態のアセスメントで適切なのはどれか。
1.子宮復古は順調である。
2.創部感染徴候がみられる。
3.分娩の受け止めに問題がある。
4.産褥日数に比べて進行性変化が遅い。
 
 
午後問題110 産褥2日。母子同室を開始した。児が欲しがる様子をみせると授乳するが、うまく吸ってくれず児の口がすぐに乳頭からはずれてしまうという。乳房緊満はみられず、乳房の形態はⅡa型、乳頭の形は正常である。
 優先して確認すべきことはどれか。
1.授乳回数
2.児の抱き方
3.乳汁分泌状態
4.乳頭の傷の有無
 
 
午後問題111 産褥3日。分娩後排便が見られない。褥婦は「お腹が張った感じがするが授乳や子どもの世話が忙しくて、ゆっくりトイレに行けない」と言う。
 対応で適切なのはどれか。
1.安静臥床を勧める。
2.母子同室を中止する。
3.腹部マッサージを勧める。
4.食事摂取量を減らすよう勧める。
 

 

 
次の文を読み、午後問題112~114の問いに答えよ。
 
 40歳の初産婦。妊娠34週0日。身長157cm、非妊時体重57kg。健康診査時72kg。子宮底長29cm、推定児体重2,100g。血圧128/80mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。Hb12.0g/dl、Ht37%。
 
 
午後問題112 健康状態のアセスメントで適切なのはどれか。
1.貧血がみられる。
2.体重の増加が過剰である。
3.妊娠高血圧症候群である。
4.子宮内胎児発育遅延のおそれがある。
 
 
午後問題113 妊娠36週0日。体重74kg。子宮底長30cm、推定児体重2,250g。血圧142/90mmHg。尿蛋白+、尿糖(-)、浮腫+。尿回数は6回/日程度。「運動不足で体重が増えているような気がします」と言う。
 指導で適切なのはどれか。
1.妊婦体操を行う。
2.塩分摂取を減らす。
3.水分摂取を制限する。
4.摂取エネルギーは2,500kcal/日とする。 
 
 
午後問題114 妊娠37週4日。破水し来院した。「病院に着いた頃から陣痛が始まったように感じます」と言う。胎児心拍の最良聴取部位は母体左下腹部。分娩監視装置を装着した結果、陣痛周期6分、胎児心拍基線130bpm、遅発一過性徐脈がみられる。子宮口3cm開大で、淡緑色の羊水流出がみられた。
 この状況のアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ
1.早期産である。
2.早期破水である。
3.分娩第1期である。
4.胎児は第2頭位である。
5.胎児機能不全(胎児ジストレス)が推測される。
 

 

 
次の文を読み、午後問題115~117の問いに答えよ。
 
 27歳の女性。職場が製造部門から事務職へ配置換えとなり椅子に座っている時間が増えたため、太るのが心配で食事量を減らしていた。身長163cm、半年前の体重は48kg、現在38kgまで減少した。自分では体重のコントロールができず、母親に伴われ精神科病院に来院した。2か月間外来で治療を受けたが改善せずさらに1kg減少したため、開放病棟に入院した。
 
 
午後問題115 入院5日。患者は、病棟内では穏やかに過ごし、出された食事も全量摂取していた。体重の増加は認められなかった。
 重要な観察項目はどれか。
1.発熱の有無
2.嘔吐の有無
3.母子関係
4.運動量
 
 
午後問題116 患者は、デイルームで過ごすときは好んで他の痩せた患者と話をして過ごしていた。会話の内容は食物に関することが多かった。
 この患者で最も障害されているのはどれか。
1.コミュニケーションスキル
2.サーカディアンリズム
3.ソーシャルサポート
4.ボディイメージ
 
 
午後問題117 入院8日。体重が増加しないため、医師からベッド上安静の指示が出された。食事が運ばれた際、患者は表情を曇らせ涙を流した。
 対応で最も適切なのはどれか。
1.「心配なことがあったら話してください」
2.「何か嫌いな食べ物があるのですか」
3.「頑張って食事をしましょう」
4.「気分転換してください」
 

 

 
次の文を読み、午後問題118~120の問いに答えよ。
 
 19歳の男性。大学生。両親と兄の4人家族。1か月前から自室で独語をしながら片脚飛びをしている。母親に注意されると「『これをやめたら人生ゲームに乗り遅れる。やめたらお前の負けだ』という声が聞こえてくる。」と言い、夜間も頻繁に行っていた。母親が早く寝るように言うと、殴りかかろうとしたこともあった。次第に、食事や睡眠がとれなくなり、父親と兄に伴われ精神科病院を受診した。父親と精神保健指定医とに説得され入院の勧めに応じた。
 
 
午後問題118 入院形態はどれか。
1.措置入院
2.任意入院
3.医療保護入院
4.緊急措置入院
 
 
午後問題119 患者は看護師に「声が聞こえてくると、どうしても片脚飛びをやってしまう」と訴えている。
 対応で適切なのはどれか。2つ選べ
1.「声が聞こえるのですね。つらいですね」
2.「誰が何と言っていますか。詳しく教えて下さい」
3.「体が心配です。できるだけ休んでください」
4.「片脚跳びをやめても何事も起きないから大丈夫ですよ」
5.「声が言っていることは間違っていますよ」
 
 
午後問題120 消灯後自室(個室)で片脚跳びを続けている患者に声をかけたところ、突然怒りだし、なだめようとするがゴミ箱を蹴るなどの攻撃性がエスカレートしてきた。
 対応で適切なのはどれか。
1.このままだと隔離室に入室することになると伝える。
2.複数の看護師が病室に出向いて話を聞く。
3.興奮を静めるためにタッチングをする。
4.乱暴な振る舞いをしないよう注意する。

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