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過去問 解答解説一覧

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87回看護師国家試験 午後問題16~30

次の文を読み午後問題16~18に答えよ。
 
 28歳の男性。運送の仕事をしている。身長170cm、体重80kg。1年前から腰痛を繰り返していた。痛みは腰痛体操と鎮痛薬とでおさまっていたが重い荷物を持ったとき、腰部の強い疼痛と右下肢のしびれとが出現した。整形外科を受診し、腰椎椎間板ヘルニアと診断され入院した。入院後、骨盤牽引が3週間行われたが症状の改善がみられず手術が計画された。術前の脊髄造影検査の結果、第5腰椎・第1仙椎間にヘルニアが認められた。
 
 
午後問題16 右下肢の知覚障害の起こっている部位はどこか。
右下肢の知覚障害

1.①
2.②
3.③
4.④
 
 
午後問題17 椎間板切除術・椎体前方固定術が行われた。
 離床までに行うリハビリテーションで適切でないのはどれか。
1.足関節の底屈・背屈運動
2.大腿四頭筋の等尺運動
3.腸腰筋のストレッチング
4.上肢の自動運動
 
 
午後問題18 その後、歩行ができるようになり退院することになった。
 退院指導で適切でないのはどれか。
1.体重を徐々に減量する。
2.腰痛体操は中止する。
3.運転席は硬めの椅子にする。
4.荷物は体に近づけ静かに持つ。
 
 
 
次の文を読み午後問題19~21に答えよ。
 
 60歳の男性。約1か月前から声がかすれ始めたので耳鼻咽喉科を受診した。内視鏡検査の結果、喉頭がんと診断された。喉頭全摘出術の説明を受け、声を失うことに同意した。しかし「息の仕方や食事のとり方が心配だ」などと不安を訴えていた。手術は喉頭全摘出術と気管孔造設術とが行われた。術後3日の全身状態は安定し離床も順調に進んでいる。術前、術後の状態を図に示す。
喉頭全摘出術と気管孔造設術

 
午後問題19 術後3日以降の看護で適切でないのはどれか。
1.喀痰を吸引する。
2.気管孔の粘膜色調を観察する。
3.貯溜した唾液を嚥下するよう指導する。
4.呼吸訓練を指導する。
 
 
午後問題20 術後2週から経口摂取が始まり、徐々に摂取量が増えていった。
 この時期の訴えで喉頭全摘出術による影響と考えにくいのはどれか。
1.汁物をすすれない。
2.臭いがしない。
3.鼻がかめない。
4.深呼吸ができない。
 
 
午後問題21 退院に向けてこの患者に必要な指導はどれか。
a.食道発声法
b.気管内吸引
c.カニューレ交換
d.分割食
1.a、b   2.a、d   3.b、c   4.c、d
 
 

 
次の文を読み午後問題22~24に答えよ。
 
 62歳の女性。急性心筋梗塞の診断で冠動脈バイパス移植術が行われた。術後24時間、体温36.0℃。末梢の冷感がある。心拍数88/分、整。人工呼吸器が装着され、呼吸数15/分の設定に同調している。動脈圧78/36mmHg。動脈血酸素分圧(PaO2)68.5mmHg、動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)35mmHg、湿性ラ音が肺全体に聴取され、エックス線撮影で肺うっ血の陰影がみられる。尿量25ml/時。心拍出量2.5L/分。ドレーンの排液は淡血性で増量はない。意識レベルは声かけに反応なく、気管内吸引時に眉間にしわを寄せる。
 
 
午後問題22 アセスメントで適切でないのはどれか。
1.血圧の低下
2.低酸素血症
3.高炭酸ガス血症
4.尿量の減少
 
 
午後問題23 考えられる術後合併症はどれか。
1.低心拍出量症候群
2.無気肺
3.心タンポナーデ
4.ICU症候群
 
 
午後問題24 この時期の看護で適切でないのはどれか。
1.毛布で全身を保温する。
2.排痰は側臥位で行う。
3.気管内吸引後はバッグマスク(ジャクソンリースなど)で酸素を補給する。
4.自発呼吸が呼吸器に同調しないときは鎮静薬が与薬される。
 

 

 
次の文を読み午後問題25~27に答えよ。
 
 40歳の女性。カルチャーセンターで受講中、突然激しい頭痛を訴えて意識を失ったので救急車で病院へ搬送された。頭部エックス線CTで、皮質下出血を伴ったクモ膜下出血と診断されて入院した。入院時、体温37.2℃。脈拍数80/分。呼吸数24/分。血圧182/102mmHg。大きい声で名前を呼ぶと開眼するが、またすぐに眠り込む。左上下肢麻痺があった。
 
 
午後問題25 入院時のアセスメントで適切なのはどれか。
1.意識レベル(3-3-9度方式)は100である。
2.皮質下出血は左側頭葉である。
3.血圧低下を起こしやすい。
4.昏睡に陥る可能性がある。
 
 
午後問題26 看護として適切なのはどれか。
1.手術を考慮して浣腸をする。
2.部屋の照明を明るくする。
3.床上でのリハビリテーションを開始する。
4.血圧の変動を早期に把握する。
 
 
午後問題27 第1病日に前頭側頭開頭術で動脈瘤ネッククリッピングおよび脳内血腫除去術が行われた。術直後、呼吸数28/分。血圧192/80mmHg。頭痛、嘔吐がある。応答は不明瞭である。
 看護の目標として、優先度が高いのはどれか。
1.術後肺炎の予防
2.家族の不安の緩和
3.頭蓋内圧亢進の予防
4.関節拘縮の予防
 

 

 
次の文を読み午後問題28~30に答えよ。
 
 80歳の男性。「トイレでは尿が出にくいのに尿が漏れて下着を汚す」と言って来院した。いきんで排尿しても尿滴下状態で、導尿したところ500mlの残尿があった。前立腺肥大症の診断で経尿道的前立腺切除術を行った。手術後4時間、苦しそうな表情をして「尿の管を抜いてくれ」と訴えた。バイアルサインには変化がなく、尿量は60ml/時、軽度の血尿が持続していた。手術後3日に膀胱留置カテーテルが抜去された。その後、頻尿と尿失禁とが起きた。
 
 
午後問題28 術前の尿失禁のタイプはどれか。
1.切迫性尿失禁
2.腹圧性尿失禁
3.機能性尿失禁
4.溢流性尿失禁
 
 
午後問題29 術後、膀胱留置カテーテル抜去前に苦痛を訴えたときの看護で適切なのはどれか。
a.持続的膀胱洗浄液の滴下を中止する。
b.膀胱留置カテーテルの牽引を解除する。
c.膀胱留置カテーテルの疎通性を確認する。
d.ファウラー位にして膝窩に枕を入れる。
  1.a、b   2.a、d   3.b、c   4.c、d
 
 
午後問題30 膀胱留置カテーテル抜去後の指導として適切でないのはどれか。
1.抜去後の尿失禁について説明する。
2.水分摂取を制限する。
3.炎症が消失すれば頻尿はなおると説明する。
4.肛門括約筋収縮の運動を説明する。

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